人頭税が施行されていた琉球王府時代にジュゴンは、新城島に限って捕獲が許されていました。ジュゴンはザンと呼ばれ、塩漬けや干し肉を貢納税として納めていました。なめした皮も納めたという説もあります。終戦後に乱獲され、それまでも数が多くなかったジュゴンは今ではすっかり姿を消してしまいました。
そのジュゴンを祀っているのが、上地島の東(あーりぃ)御嶽(うたき)です。人魚神社とも言われています。
木綿を素材とした織り物の一種で、「ミン(木綿)でできたサー(幅の狭い)帯」のことをミンサーといいます。沖縄県内でもいろいろな織り方があり、熟練した手技と根気が必要とされます。手で締め織ることで、帯に厚みができ、独特の風合いの仕上がりになり、使うほどに体に馴染んでいきます。
今では沖縄といえば思い浮かぶほど有名なこの写真の絣柄は、竹富島が発祥だと言われています。
かつて通い婚が行われていた時代に、女性から男性にミンサーを贈る風習があり、竹富島の女性たちは心を込めてこの柄を織りこんだのです。
「四つ玉、五つ玉」の絣柄には、「いつ(五つ)の世(四)までも末永く」、
ムカデの足と呼ばれる両耳の白と藍が交互する二列の模様には「足繁く通って来てください」、絣柄を挟む二本の線には「道を踏み外すことなく、愛を育ててほしい」という願いがそれぞれに込められています。