「かしくさや うつぐみどぅ まさる」
島の代表的な祭事である種子取祭で歌われる「しきた盆節」には、共存共栄の「うつぐみ」の心を誇りにした島民の賢さを讃えた一節があります。
周囲約9kmの小さな島だからこそ、助け合いながら生き抜いてきたのが竹富島です。
サンゴの石垣に囲まれた赤煉瓦の屋根の家々、その間を縫う白砂の道と原色の南国の花々、屋根の上からは、さまざまな表情のシーサーが見下ろしています。訪れる人々が魅了される景観と島人たちのおもてなしの心を支えているのが、このうつぐみの心なのです。
訪れる人を魅了する沖縄の原風景とも言える島の景観は、時代の変化に適応しながら、未来につないでいこうという島人たちの強い意思によって守られています。 1980年代に島外の資本により土地買収の問題が持ち上がり、島人たちは土地を守りぬくために、1986(昭和61)年3月に、島では「売らない」「汚さない」「乱さない」「壊さない」、伝統文化や景観を「生かす」観光をめざすという5原則による竹富島憲章を制定しました。 |
竹富島の町並みは、1987年に重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。