竹富島には、主要な御嶽、拝所が28か所あり、御嶽以外の拝所を含めると80か所あまりあるといわれており、その数は非常に多いといえます。
竹富島の伝統的な信仰の中心は、ムーヤマと呼ばれる御嶽です。ムーは数字の「六」、ヤマは「山」で、六つの御嶽を中心とした信仰です。
ムーヤマとは、玻座間御嶽、仲筋御嶽、幸本御嶽、久間原御嶽、花城御嶽、波利若御嶽の六つを総称した名称です。ムーヤマの由来には諸説があります。
竹富島の種子取は粟の播種儀礼で、600年の歴史があるといわれています。節祭から49日目にあたる戊子(つちのえね)の日を祭日とし、旧暦の9~10月に10日間にわたって行われます。戊子には「火の神」「農業の神」に種子取の祈願をし、「飯初」(粟餅)を作ります。
己丑(つちのとうし)には清め精進(ンガソージ)し、7日目の庚寅(かのえとら)と8日目の辛卯(かのとら)の両日に「庭の芸能」「舞台の芸能」を奉納し、残る2日間で祭のしめくくりをします。奉納芸能1日目は、夜を徹して、各家庭を巡り「ユークイ」を行います。
竹富島の種子取祭は、娯楽的な演劇などもはさみながら次々に奉納され、芸能そのものが竹富島の歴史を語る仕組みになっています。
結願祭、ソーラ(旧盆)、種子取祭の芸能は、2007年(平成19)に「小浜島の芸能」と一括して、国の重要無形民俗文化財として指定されました。年中行事のうち、結願祭は神前で奉納される演目が主となっており、もっとも多くの芸能が演じられます。明治初期のころに、「節」と「結願」の二つの行事が一つになったといわれています。八重山の中でも小浜島にしかみられない独自の民俗舞踊「ダートゥーダ」が保存会の手により2001年に復活しました。
旧暦8月の戊亥のスクミから始まり、4日間行われます。2日目の正日(ショーニチ)では、北と南の二つの集落がそれぞれ伝承する芸能を奉納し、一般来当者も、ルールに従って舞台を見ることができます。